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第15回野辺山100kウルトラ耐寒マラソン(四)

馬越峠を下り始めた。
向かい風が強烈だった。帽子が飛ばされるかと思ったくらい。

それにしても、この下り、長いよね。
舗装路の下り用のトレーニングをやってきた自分は平気だけど、ここで膝や足首を痛める人って、きっと多いだろうな…。

かなり加減して入ったけど、根っから下り坂が好きなので(但し、「人生の下り坂」を除く)、そこそこ先行ランナーに追いついてしまい、結局、下りで15人くらいは抜いたような気がする。

でも、里まで駆け下りて平地になってからは、川沿いの道を再び歩き始めた。

重力の力を借りないと走れない身体になってしまったようだ…。

下り坂で抜いてきたランナーに、次々と抜き返される。ま、別に気にならないけど…。

次のエイドで、うどんをゆっくり食べる時間を確保できただけで満足。

ほとんど、歩くことに意固地になり始めてる。

川沿いの歩道には、小川や水溜りができている。濡れないコース取りは、シングルトラック状態なので、真剣に走っているランナーの邪魔にならないように、敢えて水溜まりの中を歩き続ける。

正直言って、冷たすぎ…。やってることが、我ながら「馬鹿じゃないか」と思えてくる。

やがて、 川上村多目的センターに到着。スタ-トから10時間8分経過した。トホホな展開だが、仕方ない。

ここにはデポした着替えがある。夕暮れ時の防寒対策として、長袖のトレランシャツ、CW-Xロングタイツ、ウインドブレーカー、バスタオル、インナーパンツ、ソックス、手袋、半袖Tシャツ、その他ジェル系サプリメントにテーピングキットにワセリン…。すげ~!ドラえもんも真っ青。

しかし、なにはともあれ、まず「うどん」でしょ!

13_udon1_2 (美味いんだな、これが!)

テントの下の椅子に腰掛けて、デポ袋を抱えたまま、熱いうどんを一杯いただいた。美味い!温まる!

続けて、ポーチのピットインリキッドを1本丸ごと補給。

濡れたウェア類を全て着替えようかとも思ったが、もう濡れ鼠スタイルに慣れてしまったようで、なんとなく却下。ゼッケンの付替えをするのが億劫で…。インナーのファイントラックシャツがなければ、今日はこんなもんじゃすまなかったな、たぶん…。

そして、さらに2杯目のうどんに挑む。

14_udon2_2 (本当に美味いんだって!)

あ~落ち着いた。今日は、エイドで温かい軽食を補給するたびに、「もう少しなら頑張れるかも…」という気になった。意外と単純な人間なんですな。

ここのエイドでは、4分の滞在予定に対して、まったり9分間の休憩。まあ、よいではないか。ここまで来てリタイアする気はないので、ゆっくりと体力回復に充てることにする。

残り13k。10分ペースで歩いても、12時間40分以内にはゴールできる計算だ。手付かずのデポ袋をそのまま預け、そのままスタスタとコース上を歩き始めた。

  • 87k川上村 出発予定:9時間32分 実際:10時間17分 
    (前年実績:10時間4分)

そこから、3kほど普通の生活道路を歩く。独立した歩道がないので、車が脇を通ると、時々泥水を浴びせられる。もともとびしょ濡れだから大勢に影響ないけどね。側溝の蓋の金属部分で、やたらと足元がスリップする。

この区間、去年は6分ペースで淡々と先行者を抜いていったのだが、今年は立場が逆である。ときおりポツリポツリとやって来る後続ランナーに道を譲る。

ほどなく、左手に90k地点の登り坂を進む人影が見え始め、いよいよ終盤だ。 90kのチェックポイントを通過。これが、ランナーズアップデートの最後の途中経過となる。

今日は、トレマンさんつながりの仲間の皆さんが、わざわざゴール地点に応援に来てくれてるらしい。90k通過が、10時間47分。ちょうど、自分がゴールする予定だった頃だ。

本来なら、最後の10kを66分で見込んでいたのだが、このまま歩くと、100分かかることになり、12時間半のゴールタイムとなる。この風雨の中、お待たせしてしまって申し訳なく思う。
「あと10kだから1時間くらいで着くね」なんて思ってたらどうしよう…。
携帯でも持ってれば、「まだ暫くゴールできないから、暖かいところで休んでて!」と伝えたいところだ。(←そう思うなら、少しは走れよ!ったく…punchimpact

90kから続く登り坂は、ほとんど歩く人が多い。従って、あまり差が開かない。というより、むしろ縮まる。こちらも、のろのろ歩いているわけではなく、腕を振って、偽競歩選手のようなフォームで進んでいるので、歩き勝負なら勝算ありだ。

が、平地になると、当然ほとんどの皆さんは再び走り始めてしまうので、また置いて行かれてしまう…。時々走ってみるものの、100mと続かない。持久力が著しく低下しているようだ。今日は開店休業だ。

90k以降は、1k毎に距離表示が立てられているので、それだけを目安に強風に向かって歩く。道路脇は、本格的な小川か水溜り。M965を履いてるので、足底には通気用のメッシュ穴があいており、そこから実にスムーズに水が浸入してくる仕組みになっている。シューズ内は、お水がチャポチャポいってます。志賀の雪解水並みの冷たさですな。

アップダウンがあり、強風が吹き荒れるものの、実は走れる部分も多いこの区間。去年は、基本的には走ってゴールを目指したんだが…。誰かに抜かれたら、必ず抜き返したんだが…。

なのに、今年の自分は何なんだろう?と考え始める。去年の記録を更新しようという気があるわけでもない。その前に、すでに走る気がない(というか、走れない?)。一方、制限時間には十分に余裕があるので、歩いていても12時間半以内のゴールは間違いない。つまり、完走はほぼ約束されている。

約束された完走に向って、ただ歩いているだけ。どんどん他のランナーに抜かれても、全く悔しくない。い~のか?これで…。と、段々腹が立ってくるが、かといって、走ってみても、すぐに歩き出してしまう始末でどうしようもない。

滝見の湯に到着するまでは、「リタイア」か「歩いて完走か」の選択肢しか思いつかなかった。本当は、「去年の記録を更新」という、その時点で、まだ実現可能性のある選択肢があったはずなのに…。

自分が、今、どういうつもりで歩いているのか、よくわからなくなってきた。

snail

95kを過ぎると、距離表示が残りキロ数に変わる。数字が小さくなるたびに、頭の中でゴール予想タイムを再計算する。そんなに気になるなら、走れっての!

残り4kくらいで、初めて後ろを振り返ってみた。びっくりするくらい、大勢のランナーが歩いてた。自分の前にも4~5名のランナーがいたが、みんなゆっくりだけど走ってる。 なんか、俺、歩いてる人の代表みたいじゃん…。

道路を左折すると、最後のエイド。残り約3kとなる。 「今年もお世話になりました」と、お歳暮のCMのような台詞を言って、ペコリと頭を下げる。

先行するランナーは、全員ラストスパートモードに入って、駆け出した。 最後くらいは走りたい、とJogペースで続く。が、畑道を右折するまでの直線が、去年の記憶よりも相当長い…。

「長い…」「長すぎる…」

何かの間違いだろ、これ? …それにしても長い道路だな…。

……「まだかよ!」

で、結局、半ばでまた歩いてしまった。

そのまま歩いて畑道を右折。ちらっと振り返ると、100mほど後方に、ぞろぞろと迫ってくる集団あり。

え~ん、怖いよ~。(追いつかれたら、身包み剥がされそうな殺気…。こいつら梁山泊か!

でも、まだ歩き続ける自分。(←「波動砲、エネルギー充填55%」って感じです…)

で、もう一度右折するあたりで、後ろから1人に追いつかれ、抜かれました…。万事休す。

目の前には「あと2k」の距離表示。前方には、ゴールを目指すランナーが5~6名。

最後の最後になって、ようやく負けたくないモードに切り替わりました。(遅!)

最後は、走って終わらないと、格好付かないよね、やっぱり。(←途中もね…)

Jogモードから徐々にペースアップして、さっきのランナーを抜き返し、残り1kまでにさらに2名を捕捉。歩き始めたランナーには、「もうちょっとだよ!」と偉そうな声を掛けたりして。
(…「ハイ!」ってお返事が背中に返ってきたよ。素直な人だな…)

あとは、ゴール写真を意識して、前のランナーとの間隔を15mほどキープしたまま、花道へと左折。後続が迫って来る気配なし。OK。去年は下を向いちゃったから、帽子のつばをやや上げて、スタンバイOK。

晴れていれば、歩道の両側一杯に応援の人垣が出来てて、ライスシャワー状態で祝福されてのゴールだったんでしょうが、今年はこの悪天候で人影もまばら…。でも、所々に傘さして応援してくれてる奇特な方もいて、感謝です!

あと20mくらいでゴールっていうところで、左側に、shineカラフルなレインジャケットのトレマンサポーターズの皆さんshineが大声援で迎えてくれた!

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! bell  (←来たのは俺だ…)

イヤ~、みなさん、華がありますな~!tulip 紫陽花かと思いましたよ。good

マンモスうれピー!happy02

涙出そう、俺。(ってか、たぶんウルウルしてた…雨で目立たなかったけど)

あ~(最後だけでも)走って来て良かった!(←本音です…) happy01

最後は、両手を高々と挙げて、ゴ~~~~ル。 motorsports

道中、不完全燃焼じゃないかとか、全力を尽くしてないんじゃないかとか、いろいろと葛藤もありましたが、ゴールテープを切って、完走メダルをかけてもらったら、そんなのはどこかに吹っ飛んで、純粋に嬉しかったです。

完走(厳密には…完歩)したってだけで、こんなに喜べたのは初めてです。これが今年の野辺山なのかしら?

  • 100kゴール: 到着予定:10時間56分 実際:12時間18分

あとは、ほかの仲間の動向が気になるところですが、やまとうまさんやイイヤマさんは、ゴール地点で応援してくれました。

あとは、U井さんと弐号か…。やまとうまさん情報で、弐号の71k通過が10時間らしい…。馬越峠の分を考えると、厳しいですな…。去年は8時間半で走ってたはずだから、苦戦してるようです。

15_goal (ゴール直後です)

しばらくトン汁食べて身体を温めてると、あ、Enjoylifeさんに遭遇!自己ベスト出されたそうです!いや~おめでとうございました。来年は、一緒にサブ11を達成しましょう。

さて、ゴール後、一息つくと同時に、猛烈な寒さが襲ってきました。歩いてた時とは全然違って、急激に体温が低下しはじめたようです。 ちょっと失礼して、着替えてくることに。駐車場に向う途中の信号待ちで、全身の震えが止まらなくなりました。相当ヤバイよ、これ…。penguin

車に飛び込んで、暖房ガンガン入れて、濡れたウェアを全部脱いで、バスタオルで乾布摩擦。それでも、しばらく震えが止まらず、俺、どうなっちゃうの?っていう状態がしばらく続きました…。車内が暖まってくると同時に、なんとか震えも収まりはじめ、チョコレートやエネルギージェルを補給して、体温上昇に務めます。

ようやく落ち着いたところで、携帯で弐号やU井さんの途中経過をあらためて確認。 ゴール地点へ戻ると、皆さんの姿が見えず、しばらくは蕎麦食べたり、またトン汁食べながらゴールシーンを傘さしながら拝見。

そのうち、18:30頃に弐号から着信アリ。収容車で戻ってきて、もう体育館の更衣室にいるとのこと。で、無事合流。 馬越峠の関門に数秒間に合わずにセッケン回収され、そのまま87kの川上村公民館までの下りを走って、そこからバスで戻って来たそうです。完走できなくて残念だったけど、馬越峠を経験できたのは、財産になったね。お疲れさん。よく頑張りました。

16_after(U-Hiroさん、S口さん、さちさん、わざわざ駆けつけてくれてありがとう!)

その後、体育館で、みなさんの差入れをいただいていると、U井さんが帰還。あとほんのわずかでした。お疲れ様でした。

17_after2  (お疲れ様でした~!)

ま、今回は、前半が終わった時点でレースモードから降りてしまいましたが、それでも100k完走した後は、それなりの達成感がありました。

50kまでを予定通りにクリアできたことで、たぶん来年は、10時間40分台を狙えるような気がしています。(←懲りない奴だな…)

来年は晴れるといいな~。リベンジ組も、チャレンジ組も、一緒に頑張りましょうscissors

18_yatsu (翌朝の八ヶ岳です!)

P.S. 今日、オールスポーツさんの写真が公開されました。28枚も写真あった!嬉ぴ~。みんな笑顔で写ってますが、それはカメラの前だけです、念のため。

正直なところ、いつリタイアしても不思議じゃない状態でした…本当に。

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コメント

ブログ上で耐寒ウルトラを少しながらも体感できたきがします!
みなさんおつかれさまでした!

洗面器の氷水に足を突っ込んで、扇風機回しながら読むと、臨場感があると思いま~す。

毎日、楽しく??読ませてもらいました('-^*)/

たぶん、うさ吉さん、ハセツネ好きになります!似た世界で真っ暗闇で自分との戦いですね…

6月1日にエントリーですね!100キロ信越とダブルエントリーしませんか?
自分はリベンジ第一段は信越です(^O^)/
いやはや精神の強さを感じたブログでした!ありがとうございました(^O^)

いや~~感動しました。
あの体調で完走したのには、正直ビックリしましたよ。更に12時間18分とは流石です。
ゴールでお会いした時の最高に嬉しそうな表情は脳裏に焼きついていますよ。
来年は、是非一緒にサブ11目指しましょう。

完走の裏には様々な葛藤や、思いがあったのですね。最後まであきらめなかったのは今後の糧になると思います。自分もたまに何でこんなことやってんだろう?て思う時がありますよ。

実は、いまのクライアントさんの仕事をしてる限り、ハセツネには出場不可能なんですよ…。必ずサーバーメンテ日にぶつかるんです!

自分の完走メダルに気がついて、喜んでくれたEnjoyLifeさんにも感謝感激でしたよ~♪

Haraさんも野辺山が似合いそうですね~。
例の山岳会の名前も出場者名簿に見つけましたよ!

四回によるドキュメンタリー有難う御座います。私も3年前の100kの各場面を懐かしく振り替えって思い出していました。北相木の折り返しの長いこと。それからのだらだらの登り。馬越峠を降りてからの更に長い事。大変でしたねー。雨といえば、平成16年の10月、越後くびきの100kもまさに関東地区へ大被害をもたらした台風22号上陸の日に雨の中スタートしました。このときは、90%以上雨の中でした。が、完走の後はこの悪条件の中完走した事に、自分に対して大きな自信に繋がりました。野辺山ウルトラといえば100ですが、42・71後のほっとした温泉もいいものでした。

大寒ドラマ四部作ありがたく拝読させていただきました。
弐号さん数秒でっ!?お察しいたしす。。。
自分的には前半の気合不足が悔やまれます。
本当に本気で完走を意識できたのが65km位からでした。
「こんな苦しい事来年も出来るんかい?無理だと思うなら何とか今年メダルもらわなきゃだめじゃん。」と峠頂上からの下りは「故障してしばらく走れなくてもいいや」と決意して全力で駆け下りました。
結局完走は遥かカナタでしたが懲りずに来年行きますよ!
しかし、明後日も雨かい、トホホホ、、、

Tomoさん、42kお疲れ様でした。
オールスポーツで雄姿拝見しました。楽しそうでしたね♪
翌日、ゆっくり滝見の湯を独り占めしてきました。(去年は八峰の湯を翌朝堪能しました)

稲子は、まだ入ったことないですね…。spa

U井さんに捧げます。

 雨、それは悲しく~
 雨、それは切なく~
 雨、それは苦しく~
 雨、それは儚く~
 雨、雨、雨~♪

以上、「ベルサイユのばら」より(勝手に編集…)coldsweats01

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