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野沢温泉の暑い二日間(3)

…スポーツパークに到着してから、20分以上経過していた。

番組的には、小菅神社の奥社付近で、トップ選手の通過に合わせて玉ちゃんのショットを絡ませたいらしい。従って、「あまり早く行ってもしょうがない」という状況なのだった。
 完全に自分の目論見とは正反対の流れになっていた…。

当初の皮算用作成時は、昨年の王滝と同じイメージで、玉ちゃんと自分でセクション2区間を全て走り切るものだと勝手に思い込んでいた。
しかし、それは、王滝の国有林がエスケープルートが少なく、車の入れるポイントが途中にないという制約によるものであって、今回のように、登山道や林道以外は車で移動できてしまうとなれば、そんなところをタレントさんに走らせる必然性がないのは当然のことだった。

そんな自分の心境を慮ってくれたのか、ディレクターさんやT岡さんが、「レースに出られなくて申し訳ないですね~。今からレースに戻りますか?」などと気を遣ってくれた。そんなことを言ってもらえるとは全く想定していなかったので、その心遣いは素直に嬉しかった。
 でも、自分の優先順位としては、(1)撮影サポート業務 (2)あわよくばレース復帰、 という意識で臨んでいたので、「お仕事を放棄してのレース復帰」は、全く選択肢になかった。

「まだ大丈夫ですよ!お手伝いが最優先ですし。ロケが、ひょっとして早く終わって、時間の余裕があったら、それから復帰を考えま~す」

 ただ、唯一気になっているのが、「運営側に迷惑はかけたくない」という点だった。

小耳にした情報では、誘導やCPの地元ボランティアの方々は、交代なしの24時間体制で業務にあたっているらしい。となれば、最初のCPである登山道入口を担当される方などは、おそらく早めに撤収して、次に控えている業務に移行しなければならないはず。

 さきほど目の前を通過していった最終ランナーの様子から判断して、最初のCP到着は、約1時間後。一方、自分がロケを終えてこの場所に戻り、CPまで急いだとしても、今から2時間以上、あるいは3時間はかかる。

制限時間内だから問題ない、と考えることもできるだろうが、自分が逆の立場だったら、絶対にWelcomeな感情は持てないと思う。だって、もうスイーパーまで出発してるんだから…。
 少なくとも、自分の権利ばかりを主張する「KYな困ったちゃん」にだけは絶対に成り下がりたくない。

そんなわけで、レース復帰の希望は持ちつつも、早め早めに判断をして、大会本部に意思表示することが大事、と肝に銘じておいた。

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8時半頃、小菅神社へ向けてワゴン車で移動した。

 本来のコースは、北竜湖畔を抜けて、林道経由で参道の途中に合流するのだが、前宮の駐車場に車を停めて、地元のお祭りの進行状況を気にしながら、参道フルコースを奥社まで登る。奥社手前の鎖場には、すでに別のカメラさん達が待機しているはずだ。
 自分のほかに登っているのは、ディレクターさん2名、MCさん、玉ちゃん、カメラさん、音声さんらだ。レースコースとの合流点まではロケもなく、雑談しながら歩いて登る。

「こんな坂でも、選手は走るんですか?」と質問される。
「25km走って来てますから、上位30%くらいですかね、走れるのは…」と答える。
「うさ吉さんも走ります?」
「この傾斜なら行くでしょうね」
「ちょっと走ってみてもらっていいですか?」
というわけで、僭越ながら、タッタカタッタカと駆け上がってみせた。note

 背中の後ろで、歓声が聞こえた。 カメラさんが、「マジですか!」って感じの苦笑いを浮かべていた。

自分ごときの「なんちゃってスピード」で、こんなに驚いていただけるとは恐縮だった…。coldsweats01
本物のトップスピードを見たら、心臓止まっちゃうかもな、と思った。

やがて、レースコースとの合流点に到着した。誘導スタッフの方がテント設営中だった。
ここで、玉ちゃんが林道から走ってきて、参道に向かって登り始めるショットを撮影する。
「いや~、このトレイルは気持ちがいいね!」と玉ちゃん連発。今朝からここまで、舗装路と石ゴロ参道しか走ってないから、無理もない。奥社を過ぎてからのブナ林は、きっと気に入ってくれるだろう。

ここから先、本番コースを奥社まで登るのは、女性ディレクターさんと玉ちゃん、自分の3人だけ。他のスタッフは、コースを逆に辿って、登りと下りの両コースが隣接する林道ポイントへと向かって行った。

さて、ここから先は、自分のカメラの出番だ。movie
玉ちゃんのバックショットや足元、岩や大木の名所などを撮影しながら、急な参道を登っていく。
女性ディレクターさんも、さすが地元出身(即ち、クロカンスキー経験者)。小学校の遠足で小菅神社へ来たというだけあって、かなりの健脚だ。そのへんの初心者トレイラーより、よほどペースが速い。

樹が茂っていて暗い感じの森の中を進むが、時折隙間から射し込む陽射しは早くも強そうだった。

高度計の数字を見ながら、もうそろそろかな…と話してると、頭の上から「お~い」と声がする。鎖場で待機中の先発隊のカメラさんだった。
「もうすぐだよ。すぐそこが奥社だよ」と教えてもらう。

自分も、カメラをザックにしまって、鎖をよじ登る。すると、ちょうど、コース誘導の大会スタッフが到着し、案内板等の設置をし始めたところだった。

大会本部に連絡を取ってもらって、先頭グループの状況を確認する。
携帯の電波が微弱で、通話が途切れがちのようだった。

第2関門の通過時間、先頭と2位との差などを確認し、それに従って撮影計画を微修正する。
自分の皮算用資料と照らし合わせ、想定ペースと残り距離から、到着目安を算出する。
レース前にT中さんからは、5時間半くらいの予想タイムを告げられていたそうだが、それは早くも不可能そうだ。「いくら速くても、6時間半でしょ。」と再見積りする自分。

(大胆な)当初の予想よりも予定時間が遅れそうとのことで、ここで奥社のインサートを先に撮影することに。レースでは奥社までは登らないけど、玉ちゃんの参拝シーンなどを撮っておくらしい。

一方、自分も、ここで決断。スタッフさんに頼んで、大会本部に「レース復帰を諦めること」「チップはあとで本部に届けること」を伝えてもらった。

ただ、やはり電波状態が悪いので、何度も通話が中断したらしく、最終的には、「TV関係者の○○番、小菅神社でギブアップ」と要約されてしまった…。ま、事実関係に間違いはないけどね。ちょっとニュアンスが違うけど、ま、仕方ないかな…。
たぶん、時間的には、スイーパーさんが登山道CPを通過した頃だったと思う。

さて、奥社での撮影を終えてからは、コースに戻って先を急ぐことに。本当は、ここでトップ通過を待つ予定だったが、時間の関係で計画変更だ。

しばらくはまだ登りが続く。沢水が溢れているところを通過し、やがて登り切って、徐々に平坦に、そして、ゆるやかな下りに。「女神の森」と呼ばれるエリアだ。

ブナ林のトレイルや丸太階段で、玉ちゃんの走る姿を真後ろから撮影する。
時々、自分が先行してスタンバイし、S字に駆け下りてくる玉ちゃんを流し撮りしたりも。

丸太階段は、二人とも結構きついようだった。でも、なだらかな下り基調のトレイルは、「これは気持ちいい!」と玉ちゃんもディレクターさんも大喜びだった。

歩幅を狭めて、ちょこちょこステップ切って、カズダンスみたいなイメージで走るといいですよ!なんてことを喋りながら、正真正銘のトレイルランニングを楽しんだ。

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そんなこんなで標高を下げ続けていくと、ふと背後にガサガサッと気配を感じた。flair
ふり向くと、トップのM月選手、すぐ後ろにY田選手ががこちらに向かって駆け下りてくるところだった。
「トップ来ました!」と叫んで、小路の両側に飛び避け、すかさずカメラを回した。
スタンバイモードから復帰するのに時間がかかり、トップは後頭部くらいしか撮れなかったが、二番手はバッチリ収められた(はず)。
思わず、「Y田さん、ガンバ!」と声を掛けたら、チラッと視線を返す余裕あり。
この時点では、両者とも、かなり淡々とした表情で、まだまだレース前半戦。力は有り余ってるけど、お互いの様子見、って感じだった。

「今の画、撮れた?」とディレクターさん。
「トップは半分切れたけど、二番手はカバーできました」と自分。

本来、こういうシチュエーションは自分の役割ではなかったので、想定外のオプション映像が撮れたという位置付け。下りきった曲がり角には別働隊が固定カメラで待機しているので、あとは本職にお任せだ。

ここで、トップアスリートの本気走りをLIVEで観た、玉ちゃんのリアクションを撮影。
「何なんですか!今のは!猪かと思いましたよ!」(…みたいな感じだったかな?詳細は忘れた…。もし、使われてたら、オンエアで確認してください)

「3番手が来たら、今度はバッチリ撮りましょうね!」を合言葉に、後方を気にしながら山道を下る。

…が、3番手がなかなか現れない。

そのあとも、玉ちゃんのランニングシーン撮影を織り交ぜながら、しばらく推移。

やがて、ようやく3番手の姿が後方に現れた!トップ二人とは、かなり差が開いている。

今度は準備万端。いつでもOK。はやくもロングショットから撮影開始だ。

木立に身を寄せた玉ちゃんの脇を駆け抜ける3番手さん。追い抜きざまに、「お疲れ様です!」と玉ちゃんに声を掛ける余裕あり。

あっという間に小さくなる後姿。それをポカ~ンと見送る玉ちゃん。

そして、感想を呟く玉ちゃんのアップ。

その一部始終をキッチリ収めることができた(…はず)。

そんなこんなで、間もなく、他のスタッフさん達の待機するポイントまで無事到着。小菅神社エリアで、10kmくらい走ったようだ。玉ちゃん、頑張りました。

自分の仕事はここで一応終了。

しばらく、玉ちゃん一人のロケを眺めながら、北竜湖へ向かって隣接する林道を登っていく選手達の様子を見送っていた。

すると、ベストタイミングでトレマンさんが通過。happy02 「店長!がんば!」と声をかける。

「あ、ども!」相変わらずのポーカーフェースで淡々と走っていった。マイペース堅持って感じだった。

直後(直前だったかも…)に通過したピロリさんは、もう完全に歩きモードだったから、選手にとっては相当に過酷なコンディションだったのだと思う。

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セクション2のロケが終わった。

「お疲れ様でした!」と玉ちゃんと握手を交わし、そのあと、マネージャさんに促されて、T岡アナと自分と玉ちゃんでスリーショットを撮影して貰った。

ひょっとして、玉ちゃんブログに掲載されるのかな?

このあと、ワゴン車でスポーツパークへ向かう途中、林道をてくてく歩いている選手を追い越した。K出選手のようだった。

玉ちゃんたちは民宿で降りて、風呂や着替えに。自分は、そのままスタッフさんと一緒にスポーツパークへ戻り、デポ品の回収と、リタイアの正式手続きを行なった。

大会本部へ行き、事情を説明してお詫びすると、「事前に連絡受けてました。わざわざありがとうございます。お疲れ様でした。」と労っていただいた。正直、この一言で肩の荷が下りた。ありがとうございました。

階段を下りると、小布施を走り終わって応援(兼トレーニング)に駆けつけたK保さんにバッタリ遭遇。11時半くらいだったかな。

(以降、最終章「応援編」に続く…   引っ張りすぎてゴメン。

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コメント

撮影ランナーお疲れさまでした。
うさ吉さんのおかげで迫力ある、臨場感あるれる
映像がとれたんじゃないですか?

番組放送楽しみにしてます。

健太さん、こんばんは。
たぶんBS朝日でも放映されると思います。
ただ、今回は、あまり自分の関わった映像はオンエア対象にならないような予感がしてます…。
小菅神社への登りの足元カットくらいかも…。(ノ_-。)

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