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野沢温泉 セクション3(灯篭木峠~巣鷹湖~やまびこエイド)前半

パークに戻ってバルーンゲートを潜ると、再び彼女たちにはインタビューが待っている。

他人が見れば無愛想に見えるかもしれないが、自分の役目は、その傍らでインタビューを聞くことではなく、これから先の長丁場に備えて準備を整えることである。

 そういうわけで、一直線にハイドレの補給に向かい、おにぎり、バナナ、オレンジを腹に詰め込み、待ってましたのクーリッシュアイシングを実施する。

 今日の撮影は、カメラを常時回し放しではないので、意外とバッテリーもメモリも残容量がある。この先、日没後の撮影は不要とのことで外部ライトも持たないので、せいぜいあと150分ほど使えれば充分だろう。従って、交換作業はパス。

 コールドスプレーで脚の筋温を下げ、首筋を冷やす。ネッククーラは、ここまであまり効果を感じなかったので、置いていく。夜間走行は必至なので、ハンドライトにヘッドライト、低温対策のソフトシェルをザックに入れ、巣鷹湖自販機用の小銭を確認。ファーストエイドキット一式は、朝からずっと携行している。
 GPSロガーはまだバッテリーが残っていたが、あと3時間ほどで切れるはず。ここからは、GPSウォッチを右手首に装着する。

 山頂駅までエイドがないので、しゃりバテの懸念がある。ショッツとピットインリキッドを二個ずつもち、さらに、非常用に、ザックにシリアルバーとソイジョイを忍ばせる。最後の切り札、ベスパハイパーもサイドポケットに追加する。

 現地で買ってみたハニースティンガーのワッフルをかじり、冷えたコーラを半分ほど飲んで、自分の補給作業は完了だ。

 彼女達の取材も一段落したようで、二人はテントに座って食事タイムに入っていた。
自分のクーラーボックスから、ソルダムを1パック差し入れ、一緒にかじりつく。
さらに、「冷えたコーラ飲む?」と尋ねると、舞ちゃんとマネージャ氏が喰いついて来た。和可奈ちゃんは、終始、お茶派だった。
 最後の締めで、「うすやきせんべい」を投入。朝から甘いジェルばっかり食べてると、塩せんべいが無性に食べたくなるのだ。これは皆さんに好評で、たちまち完食。
お裾分けで、和可奈ちゃんから大根の漬物(「ごんじり」?もらった)

 全員にヘッドライトの携行を再確認し、準備作業は一段落。女子のメイク直しが終われば、あとは出発の指示待ちである。

MC楠原さんが、上位選手の成績を教えてくれたが、今の自分には、トップアスリートの成績はあまり興味がなかった。「この4人で、何時にここへ戻って来られるか」。それが一番重要なことだった。

ディレクターさんが、「あとどのくらいでスタートします?」と聞いてきた。
それ、俺が決めていいのかよ? と内心思いつつ、とりあえず、「じゃ、10分後で」と適当に応える。
と、12kmの部に出場したJUNONボーイ竹内君がもうすぐスタンバイできるので、二人の見送りシーンを撮りたいから、しばらく待って、と言われる。(御意)

出待ちをしている間に店長がゴールして来た。
「これから第3セクションに行くんですか!何時にゴールになるんですか?」と驚かれる。放って置いてちょ~だいな…。

到着してからから、すでに45分が過ぎようとしていた。
あとから到着したU井さんも、U島センセーも、皆さんとっくの昔にスタートして行った。

16:20pm。
出発シーンのスタンバイが整ったようだ。さて、これからが正念場である。
カメラさんに手を振り、SALOMONテントのスタッフの皆さんの声援に応えながら、セクション3へ出発である。

コース内を軽く走りながら、彼女たちの体調を尋ねる。
「すっかり疲労が抜けました~♪」「気持ちがリフレッシュしました~!」と至って前向き、絶好調だ。

16時半を過ぎているが、まだ日は高いし、空気も暖かい。
迷路のような連絡コースをくねくねと迂回し、疑心暗鬼にかられながらも、なんとかウサギコース方面に向かい始めた。
手前の水場で、早速水浴びをする。メイクし終えたばかりの二人は、顔を洗うことこそ出来ないが、シャンプー台姿勢で後頭部にザブザブ水をかける。
マネージャ氏も、バシャバシャと何度も頭から水をかぶる。

ウサギコースをまったりと登りながら、この先のコースの特徴を説明する。
登りきったところで日影ゲレンデを指差し、これから、あの山の向こうの峠を通って、こっちのゴンドラの最終駅まで登るんだ、と伝える。
「ゴンドラに乗ればすぐ着くのにね…」と舞ちゃん。
「それを言ったらレースが成立しないでしょ」と和可奈ちゃん。

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シャンツェの下をくぐり、向林→長坂ゲレンデを横切り、人工芝の連絡コースにむかつきながら、日影リフトに到着。

はるか遠くに見えるシャンツェを振り返り、「ほら、さっき通ったジャンプ台から、もうこんなに進んだよ」と指を差す。

さらに、ゲレンデを登り、スキー神社の脇を通ったあたりで、待機中のカメラさんに遭遇。同じ辺りで、先行する4~5人のキャラバン隊に追い付いた。そのなかにU井さんを発見。
しばらく一緒にお喋りしながら歩き、その先の登り勾配から先に行かせてもらった。

途中、ゲレンデ登りと舗装路を交互に交えながら、灯篭木峠へ続く最後の九十九折、ユートピアの林間コースに入った。

 まだ日没には早く、相変わらず気温が高い。
彼女達の口数が減ってきたので、自分が真っ先に、「西日がきついね!」と先制する。
「うん。暑い、暑い」と頷く二人。
「でも風が吹けば、ちょっと涼しいよね。」と続ける自分。

今日一日、ネガティブな発言を彼女たちからさせないように気をつけてきた。
登山道で口数が減れば、真っ先に自分が「疲れたね!」と言い、参道では「この石段、飽きたよね!」と言う。自分が先に弱音を吐くのは、誰だって嫌なものだ。誰かが先に言ってくれれば、少しは気が楽になるってもんだ。

時折、帽子を脱いで、風を通しながら、ザクザクと林間コースを登っていく。灯篭木峠の標高はジャスト1000mだ。
 あと100m、あと50m、とカウントダウンし、「たぶん、あと2回くらいジグザグを過ぎればチェックポイントだよ」と励ます。
果たして、間もなく灯篭木峠CPのテントが見えた~。
別にエイドがあるわけじゃないけど、オ~イ!とスタッフさんに手を振りながら通過する。

(17:50PM 灯篭木峠CP通過)

「エイドまでどのくらいですか?」と二人に聞かれる。やまびこ駅の公式エイドまではまだ8km近くあるが、巣鷹湖キャンプ場の自販機までは、約4kmだ。
キャンプ場の標高が1300m、やまびこ駅が1400m。当面の目標は、キャンプ場の自販機での補給となる。

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別荘地の舗装路を登っていく途中で、先行するU島センセーに追い付いた。

「センセー!お疲れ様~」と声を掛け、お先に行かせてもらう。まだまだ元気そうだった。その後、18時を知らせる鐘の音が遠くから聞こえてきた。

舞ちゃんは元気さを取り戻して、この坂道を駆け上がろうと意欲満々だったが、やっぱりここは温存作戦で、速めのウォークで凌ぐ。

私設エイドを出している方がいたが、気持ちだけいただいてお断りする。ルールに抵触するわけにはいかない。この辺り、マネージャさんの強い意思にアスリートの心意気を感じる。自分のDNAも共鳴した。

途中、ディレクターさんから現在位置確認の着信があり、「もうすぐ上の平駅を通過」と応える。山頂方面から駆け下りてくる復路の選手の姿が見えるようになり、彼女達は、「頑張れ!」と声援を送っていた。

GPSが1300mを表示した頃、トレイルへの誘導案内板が現れた。

「このトレイルを抜ければ、もうすぐ巣鷹湖だよ。そこでちょっと休憩して、ライトの準備しましょう」

そろそろ薄暗くなり始めてきた。ハンディカメラの撮影は、このトレイルが最後になるだろう。

あまり高低差のないトレイルを抜けると、出口の道路に真っ赤なポルシェが停まっていた。弐号だ!(←すみませ~ん。本当はトヨタです… bleah

今朝3時から常念~蝶をラウンドしてから、応援に駆けつけてくれたのだった。感謝。

「あとからU島さんとU井さんも来るよ」と会話を交わし、目の前の巣鷹湖キャンプ場に到着。

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18:39PM 巣鷹湖キャンプ場着。

風が冷たくなり始めていた。カメラをザックにしまい、シェルを着込んだ。

自販機で、4人分のジュースを買おうとしたのだが、「売切れ」と「つり銭切れ」の波状攻撃で、現金だけ吸い込まれて商品が出ず、返却ボタンも効かない。
 とりあえず、彼女達のジュースだけは確保できたので、先にトイレ休憩をしてもらい、その間、管理人さんを呼び出して鍵開けてもらって返金してもらう。再度、投入して、同じ目に遭うこと2回。トータル12分間の攻防であった。

 この騒ぎの最中、U島センセーが自販機には目もくれず、ス~ッと先に進んで行ったのを視界の端で確認していた。

ここからやまびこ駅までのトレイルを、自分は試走していない。たかだか4kmで100m登るだけなので、あまり心配していなかった。

が、出発してみると、走りやすい林道が、なんとなく、下り勾配で続いているような…。

それなりに良いペースで走りながら、「あと何キロでエイドですか?」と尋ねられる。

GPSロガーの分と、セクション3の現在の距離を足し算しないと応えられないので、ちょっと時間がかかる。リストバンドの早見表も、暗くて読みづらい。

「あと15km…」と一度は言ったものの、「そんなに少ないわけないよな~」と自問自答していると、「よかった~!30kmとか言われたらどうしようかと思った~」とお二人のお言葉…。

ヤバイ、計算しなおしたら、あと22kmだったんだけど…。とりあえず、バレるまで黙秘しよう…。punch (約5分後に訂正してお詫びいたしました…)

完全な夜間走行となり、森への入口のところで、U島センセーに追いついた。

お先にどうぞという言葉に甘えて、先行させてもらう。我がチームのお嬢さんたち(とくに舞ちゃん)は、夜間トレイルでテンション上がっており、大声で唄を歌いながら森の中をズンズン突き進んでいく。時折、後ろからセンセーの笑い声が聞こえてくる。

振り返って、「センセー!うるさくない?これ。」と尋ねると、後方の暗闇の中から、「元気がでるから大丈夫~!」とお返事が返ってきた。

最後尾の自分は、少し右側にずれて、前を歩く和可菜ちゃんの足元をハンドライトで照らしながら歩いていく。ずっと下を向いているので、何回か低い枝に、頭をゴツンとぶつけて、そのたびに目から星が出た。

そんなことを繰り返しているうちに、標高は1400mをとっくに越えてしまったのだが、さらに道は登っていく。ここまで来て、「あ、一旦、上の舗装路に出てから、エイドまで下るんだった」ことを思い出した。彼女達には黙ってたけど…。

濃霧のゲレンデ直登。再びディレクターさんから着信あり。「灯りが見えるので、もうすぐ道路に出ると思います」と伝える。

すぐに舗装路に合流し、エイドまで下り始める。前方から、自転車のスタッフさんが現れ、あと400mくらいだと教えてくれた。

ディレクターさんに連絡し、撮影の打合せをする。自分とマネージャさんは、彼女達に先行して普通の選手のようにエイドへ。彼女達は、エイド前からあちらのカメラで捕捉することに。

19:39PM やまびこエイド着。

 (長くなるので後半に続く…)

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